高校留学参加に必要な英語力

Yurinaアメリカ高校交換留学に参加するためにはSLEPテストで45点以上が必要です。この点数は、英検でいえば2級程度、TOEFL-ITPでは420点位に相当します。これに対して、オーストラリアやニュージーランドの高校正規留学への参加条件となる英語レベルは少し低くSLEPテストで35~40点位、英検では3級~準2級の実力で参加ができます。その理由は、オーストラリアやニュージーランドの高校の多くにESOL(イーソル)という外国人生徒のための英会話クラスが開設されて、留学生はそのコースで単位を取得しながら英会話学習のサポートを受けられる理由によります。ESOLは科目として通常の英語と同格に単位学科として扱われています。アメリカの高校では、このESOLクラスがない学校が多いために日本人留学生もいきなり母国語としての英語を学ばないといけない状況から、留学参加時の英語力基準が高くなっています。カナダの高校留学は、申込者の英語力に応じた多様な受け入れを行っています。太平洋側のブリティッシュ・コロンビア州高校留学を例に取ると、SLEPテスト45点以上の場合は高校の判断で日本と同じ学年へ留学します。この点数以下の生徒は、一学年下の学年からスタートする措置がとられて留学の実現がはかられる場合がほとんどです。カナダBC州では、学年に規定された英語、または英語コミュニーション科目が必修とされるために、英語力のレベルに合わせた高校学年への受け入れ方法がとられています。イギリス、アイルランドもGCE、GCSE検定制度の側面から高校留学参加者に求められる英語力基準は厳しく、英語力の不足する日本人学生は一学年低い学年からスタートするのが一般的です。母国語としての英語は、シェークスピア文学、ポエム、戯曲などの古典もその内容に含まれるために外国人の生徒には難しい科目です。また、英語力が不足すると社会科系科目の理解も困難です。オーストラリアやニュージーランドの一部の高校では、日本人留学生に単位促進のために日本語の科目登録を認める学校があります。その場合、日本人が日本語クラスのトップに君臨するという現象が起きるため賛否はありますが、これが日本人生徒の留学生活のストレスを和らげる機会になっていることはまちがいありません。これから高校留学を目指す皆さんは、どの国の高校に留学する場合でも英語の学習準備を怠らない下さい。

高校交換留学プログラムの背景

高校交換留学生を受け入れる米国側のホストファミリーは、どういった考えのもとに海外からの生徒を1年間という長期にわたって無償で受け入れるのでしょうか。また、このプログラムのスポンサーになることに、どういった意義や、歴史、メリットがあるのでしょうか。
移民によって今日まで発展してきたアメリカは、古くから外国からの留学生受け入れに対しても積極的な社会的背景が形成されてきました。アメリカの著名な文化人類学者エドワード・ホールや、ジョージ・トレーガーが提唱した「異文化コミュニケーションの重要性」の理念にも後押しをされて、海外から母国を訪れる若者を歓迎する風潮が広く根付いてきました。同時に、アメリカ人は世界のフロンティアであり、強いリーダーシップを持つ国民であり、正義の元に団結できる国民であることを海外にアピールするひとつの取り組みとして高校交換留学制度をとらえています。この催しを支援するプログラム組織も多彩で、例えばフルブライト制度(現在は大学以上の留学のみ取扱い)、アメリカン・フィールド・サービス制度、ロータリー財団留学制度などは代表的な国際文化交流団体として有名です。わかりやすく言うと「アメリカは自由の国だよ、美しい国だよ、豊かな国だよ。世界中の皆、友達になろうよ」というアメリカ国民の善意ある方々のセンセーションが、今日迄このプログラムの歴史を築いてきたといえます。

交換留学生の受け入れ

交換留学制度の現地受け入れは原則無償で行われます。通学する高校も、ホストファミリーも無料で生徒を受け入れます。これは、アメリカの文化を海外の若者に知ってもらいたいという親切心で行われています。アメリカの歴史や文化はキリスト教(多くはプロテスタント系)によるところが多く、「博愛、救援」などの精神の元で多くのボランティア活動が行われています。実際に、生徒を受け入れる家庭はキリスト教のファミリーが多く、質素で堅実な生活を送っている場合がほとんどです。ホストがシングルマザーの家庭、子供が巣立った老夫婦の家庭、兄弟が多い子だくさんの家庭、中にはシングルファザーの家庭もあります。受け入れ先は、普通の会社員の家もありますが、町の教会、郊外の牧場、漁師や農家、珍しい例ではアメリカ空軍基地内に居住する家庭もあります。参加者が気をつけたいのは「滞在先は国際文化活動として生徒を無料で受け入れている」という現実で、それはホストファミリーは言い換えるとスポンサーだということです。日本からの生徒は、家族としての雑用(チョアといいます)や、自分の部屋の掃除、食事の後かたづけなどが割り当てられます。また、参加者が学校で問題を起こすと親代わりとなっているホストの方が学校から呼び出されたり、注意を受けたりします。
夏休みに行われる「ホームステイ」と呼ばれる外国短期滞在や、海外の英語学校留学の滞在先、高校正規留学でのファミリー滞在プログラムは、受け入れ家庭に費用を払って滞在するペイゲスト・ステイが普通です。ペイゲスト・ステイは日本的に言うと「食事付き下宿」で、二人部屋と一人部屋の部屋条件、週あたりで提供される食事の回数によって代金が異なります。現在の西欧諸国では、為替レート変動と現地物価高で1が月最低、日本円換算で10万円以上がかかります。この滞在費相場を知ったとき、アメリカ高校生交換留学では滞在費だけで年間100万円以上の提供に浴していることを理解して、その家族の一員として過ごすことが望まれます。