高校交換留学のコーディネーター

アメリカ高校生交換留学のプログラムには、この催しを支援する多くのボランティアが運営にかかわっています。全米には、数百名のコーディネーターと呼ばれる人々のネットワークが存在します。各州には、その州全体の高校生交換留学プログラムを管轄するステイト・コーデイネーター、またはリジョナル・ディレクターと呼ばれる人がいます。これを担当している方は、各州在住の有志で、ライオンズクラブやキリスト教財団のメンバーとして奉仕活動に通じた方や、リタイヤをされて社会活動に従事されている著名な方の場合が少なくありません。さらに、各地域にはローカルコーディネーターとよばれる方がこの活動を支援しています。現役の教師や元教師、専門職、主婦など、老若男女を問わず様々な人々が活動を支えています。いずれの方も異文化交流の大切さを熟知しています。ローカルコーディネーターは、高校交換留学プログラム
にとって各コミュニティにおける代理人の役割を果たします。ホストファミリーを希望するファミリーの面談を行います。面談のため家庭を訪れる際には、家族全員がその場に居合わせるよう依頼します。一家がホストファミリーとしての役割を理解しているかどうかを確認し、留学生が寝起き、晩強する部屋も確認します。一家全員が留学生を受け入れることに同意しているかを確認することもコーディネーターの仕事です。
ローカルコーディネーターの役割は、
1)ホストファミリーの事前の調査、面談を行う。
2)留学生の到着に先立ち、ホストファミリーと受け入れの打ち合わせを行う。
3)留学生およびホストファミリーの指導、カウンセリング、必要に応じて留学生宅を訪問する。
4)本部に留学生の生活や学習状況について状況報告を行う。
5)万一の緊急時には、留学生やホストファミリーの援助にあたる。
ローカルコーディネーターはアメリカ留学機関本部より随時指導打ち合わせを受けており、毎年行われる研修ミーティングにも参加しています。また、ローカルコーディネーターは留学生をはじめ、ホストファミリーや学校側の日頃の相談役にもなります。問題が生じた場合は、迅速にリジョナル・ディレクターや本部へ連絡をします。この他、各種活動や旅行、文化イベントを企画するのもコーディネーターの役割です。

UKiset の登場

UKTest英国中等教育課程(日本の中高等学校レベルの教育機関)への進学英語能力適正テスト UKiset(ユーケー・アイセット)が昨年より発表され、昨日、日本の英国教育省の出先機関 British Council で紹介されました。このテストは、主にイギリスの私立高校、ボーデイングスクール(寄宿舎制高校)への英語能力入学適正試験として開発されて、2013年よりインターネットを利用したオンラインテストとして運用が開始されて、世界的な広がりを見せています。テストの対象者は英語を第二言語とする10才~17才の学生で、イギリスの中等教育課程に留学を目指す生徒の能力適性を計ります。試験の時間は約2.5時間で、英語の「読む、書く、聴く、話す」に加えて、「英国学校の学習適正」を計る5つのセクションで構成されています。英国の教育財団 Gabbitas Education により企画されて、ケンブリッジ大学語学センターによって開発された背景から、IELTSのテスト形式に相違するパターンのテストです。ライティング・セクションは自分の意見を英作文形式で述べなくてはならないために、この年代の日本の生徒には極めて難しい取り組みといえます。従って、このテストを受験するためには、少なくとも日本のインターナショナル・スクール等で専門的な英語教育を受けているか、または UKisetの受験対策指導を特別に受けて受検の準備を行う必要があります。日本では、東京の British Council で受験料£160(変更の可能性有り)で予約受検ができます。今後の見通しとして、イギリスの高校留学は、このテストの普及によって難しくなることが予想されます。

TOEICテストについて

TOEICテスト(トーイック)は Test of English for International Communication の略称で、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストで、世界約61ヶ国で実施されています。公式テストとIPテストがあり、IPテストは団体特別受験制度によるもので公開テストをTOEIC委員会IIBCへの登録により団体一括受験として行うものです。
TOEICテスト結果は合否ではなく、10点から990点までのスコアで評価されます。評価の基準は常に一定であり、受験者の能力に変化がない限りスコアも一定に保たれます。これにより受験者は正確に現在の英語能力を把握できたり、目標とするスコアを設定することが可能です。ListeningとReadingという受動的な能力を客観的に測定することにより、SpeakingとWritingという能動的な能力までも含めた、英語によるコミュニケーション能力を総合的に評価できるように設計されています。テストは英文のみで構成され、その国独自の文化的背景や言い方を知らなければ解答できないような問題は排除されています。
公開テストは現在IIBC主催により日本国内主要都市で毎月受検ができます。海外では韓国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスでも現地の委託機関によって開催され、受検が可能です。今回受検不正があったイギリスではこの委託機関の管理不備によるものと指摘されています。
IPテストは、企業・官公庁・学校等では2014年度に約2960団体が採用しています。企業では自己啓発や英語研修の効果測定、新入社員の英語能力測定などといった目的の他、海外出張や駐在の基準、昇進・昇格の要件としても利用されています。大学・短大では英語課程の単位認定や推薦入試などでも利用され必修とされています。