大学センター試験の終焉

文部省が主催する「大学入試センター試験の改革」を審議する会議が12月22日に東京で開催されました。この会議では、現在の入学試験方式に代わる新たなテストの方向性が話し合われました。その意向によると、現在の大学入試センター試験を廃止して、平成32年度から新たに「大学入学希望者学力評価テスト」と改変するそうです。
その主な内容は、数学、英語、国語テストの解答をマークシート方式に加えて、記述式となる問題を導入するということです。英語試験では「聞く・話す・読む・書く」の4つの技能を測ることが検討されています。この英語テストのライテイング記述問題の例は、TOEFL IBTのライテイング独立問題に相違しているもので、制限時間内に200~300ワードで自分の意見をまとめて記述するというものでした。例題とすると、「あなたは、海外留学という制度が、国際社会の理解に役に立つという意見に同意しますか、しませんか?具体的な意見と理由を述べて、30分間の制限時間内に英語で記述しなさい。」というもので、生徒の英語の実力を計る試験としては相当に意義のあるものでした。しかし、この試験制度の問題点は、各受験生の解答を、どのように均一化して正しく評価するのか、さらに膨大な数の受験生の英語記述解答採点を短期間で行える優秀なスタッフを揃えられるかというところにあります。この採点システムの構築は不可能ではないとしても、優秀なスタッフを揃えて、採点評価マニュアルを完成するのには相当な時間がかかると思われます。
英語を母国語としない国々である中国や韓国を含むアジア諸国では、近年英語教育に重点が置かれるようになりました。日本でも、世界に通用する英語教育の充実が急がれていることはまちがい有りません。

オークランド・シテイに思う

今年日本で開催されているクラブ・ワールドカップ(W杯)で、12月10日に開催国代表としてサンフレッチエ広島が、オセアニア代表チームのオークランド・シティと開幕戦で対戦して2-0で勝利しました。
最初に申し上げますが、実は「横浜生まれ、横浜育ち」の私は、横浜マリノスのファンであって、サンフレッチエ広島のファンではありません。しかし、今年のJ1優勝チームの広島を日本代表として応援をしています。このチームの監督は、勝負感に優れた監督として尊敬しています。今年のサンフレッチエ広島は、私の予想では世界一勝てる可能性のあるチームだと思います。サッカーは攻めるチーム…攻撃型のチームが勝つとは限らないスポーツです。自軍に引いて守って11人全員がゴール前にずらっと並ぶと点を取るのが極めて難しい球技だからです。相手にゴールをさせずにスコアレスで守りきって、最後のPK戦に持ち込んで勝つというサッカーのパターンをサッカーでは「弱者の戦法」と呼びます。広島は常にその戦法を取るという訳ではありませんが、引いて守るシーンが多く、そしてチャンスとなると一気に攻め上がる変幻自在の戦法に多くのJ1クラブは破れてきました。突然攻めに転じて、予想不可能なところからロングシュートを打つてくる戦術は敵ながらあっぱれと言う以外ありません。
ところで、広島が対戦したオークラド・シテイは、私がニュージランドのAUT大学に留学していた時はアマチュアの人気チームでした。マウント・イーデンにあるサッカー場にバスに乗ってよく応援に行きました。ニュージランドは、ラグビーが国技として人気があり、その当時はサッカーはあまり人気がありませんでした。そのチームがプロのオセアニア王者としてこの大会に参加できたことを感慨深く感じ喜んでいます。がんばれ、オークランド・シテイ・サッカーチーム!
sanfure

サンバーナディーノの事件

私がサンバーナンディーノを訪ねたのは、15年前のことです。ロサンゼルスから、10号線を走って、Unibersity of Redlands への大学訪問をした時のことです。
10号線は LAからまっすぐ西に延びるフリーウエーで、その時は途中のウエスト・コビーナ近くの道路が工事中で、相当でこぼこの段差が何カ所もあって運転しにくかったことを覚えています。サンバーナンデイーノには広島の安田女子大学のアメリカ姉妹校大学があったと思います。Unibersity of Redlands 、このエリアでは名門の私立大学で、本学のアドミッシォン・オフイスの担当者のロマーニ女史が出迎えてこの大学内を案内してくれたことを覚えています。大学のメインビルデイングは立派で、いかにも大学という建物だったことが印象的です。
この大学近く福祉施設であるインランド・リージョナル・センターで11月2日にまたしても乱の射事件があり多くの犠牲者がでました。
先月の27日もコロラド州で乱射事件があり犠牲者が出ているのは記憶に新しいところです。西欧社会の中で、アメリカは銃犯罪が歴史的に多い国で、銃犯罪に対する
何らかの規制や対策が求められています。これは、オバマ大統領も認識しているところですが、いくつかの政治的障害があって、実現していません。
自分の身は自分で守るというアメリカ西部開拓時代からの歴史背景があるとはいえ、このままでは国民全体が安心して暮らせない国になります。日本が過去に行った刀狩りのような「銃強制取り上げ」は、アメリカ憲法の国民の自衛権の保証があることから出来ないとしても、社会情報や犯罪歴情報の円滑な利用で、銃を持つ人をより厳しく管理するとか、銃犯罪者を相当に厳しく罰する法律をつくるとかの対策が急がれます。安心して暮らせる国、外国人が安心して旅行できる国アメリカになってほしいと思います。

<米乱射>福祉施設で14人死亡 容疑者2人射殺、1人拘束/Yahoo ニュース 毎日新聞 12月3日(木)11時37分配信
【ニューヨーク草野和彦】米西部カリフォルニア州サンバーナディーノの福祉施設「インランド・リージョナル・センター」で2日午前11時(日本時間3日午前4時)ごろ、銃乱射事件が発生した。地元警察によると、少なくとも14人が死亡、17人が負傷した。銃撃犯は現場から逃走したが、数時間後、警察が現場近くの住宅街で逃走車両を発見。銃撃戦の末、車内にいた容疑者の男女2人を射殺した。現場から逃走した1人を拘束し、事件への関与を調べている。
同センターは発達障害を持つ人々が利用する施設で、事件当時、スタッフら数百人がいた。銃撃犯は、施設内の集会場で開かれていた地元自治体の職員らによるパーティーを襲撃したとみられている。ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)は、連邦捜査当局者の話として、パーティー参加者の一人が別の参加者と口論になって会場を離れ、武装した1~2人を連れて戻ってきたと報じた。サンバーナディーノ警察のバーグアン署長は記者会見で、口論の後にパーティー会場から去った参加者はいたが、再び戻ってきたかどうか分からないとしている。射殺された容疑者の男女2人は、攻撃用ライフルと拳銃を所持していた。また、捜査当局は乱射現場で爆発物のようなものも見つかったと明らかにした。銃撃犯と関係があるとみられる現場近くの住宅を捜索している。
署長は銃撃犯の動機は不明とする一方、「使命があったかのように準備をしていた」と語った。「国内テロだ」と述べ、過激派組織「イスラム国」(IS)のような国際テロ組織による犯行には否定的な見解を示した。署長によると、銃撃犯が施設内にいたのは数分間で、通報を受けた警官らが現場に到着したときは既に逃走していた可能性が高い。
ロサンゼルス総領事館によると、日本人が事件に巻き込まれたとの情報は入っていないが、引き続き確認を進めている。
米国内の銃乱射事件としては、26人が射殺された2012年の東部コネティカット州の小学校乱射事件以来、最悪の事態となった。西部コロラド州でも先月27日、妊娠中絶を行う医療施設で男が銃撃し、警官1人を含む3人が犠牲になったばかり。今回の事件発生当時、米CBSのインタビューを受けていたオバマ大統領は「米国のように大量射殺事件がパターン化した国は、世界中どこにもない」と述べ、銃規制の必要性を改めて訴えた。
サンバーナディーノはロサンゼルスの東約100キロで人口約20万人。米メディアによると、事件があった施設は1971年にオープン。3万人を超える発達障害を持つ人々やその家族が利用しており、670人のスタッフがいる。2棟の3階建てビルのうち南側のビル内で事件は発生した。襲撃があった集会場は外部に貸し出すことがあるという。