シアトルのバス事故について

シアトルといえばイチロー選手が活躍したことのあるメジヤーリーグのシアトル・マリナーズと、名門大学として知られているワシントン州立大学が有名です。この街は、カナダと国境も近いこともあり、海外からの観光客も多く訪れています。日本人に人気のある市街地に近いところで先月大型バスの衝突事故があり、死者に日本人1名を含む事故になりました。思い出してみると、昨年アメリカでは、カリフォルニア州のサンディエゴ市郊外のハイウエーで、パロ・モア・カレッジに留学する日本人留学生の自動車事故があり、それは大きなニュースとして報道されました。アメリカのフリーウエーは制限時速が60マイルを上回ることから、通常のドライバーはkm換算では120キロ位を出してグングン走行をしています。高速道路での自動車事故がいったん発生すると、その多くが重大な事故となるので、自分でレンタカーを借りて運転をする場合でも、グレイハウンドなどの長距離バスを利用する場合でも注意と覚悟が必要になります。「自分の身は自分で守る」とういうことから、海外旅行保険などの傷害保険が必要なことはいうまでもありません。留学を行う生徒は、あらゆる局面を考えて準備をして行動したいものです。
★朝日新聞デジタル版の2015年9月25日版Web記事より引用★

 米シアトルで24日昼、水陸両用の観光バスと大型バスが衝突する事故が起き、4人が死亡した。日本の外務省によると、日本人1人の死亡を確認したという。また複数の日本人を含む51人が病院に搬送され、このうち少なくとも2人が重体といい、現地でけがの状態などの確認を急いでいる。
大型バスには、近くのノース・シアトル・カレッジの留学生ら約45人が乗っていた。外務省によると、日本人1人の死亡を確認したと、現地の警察から在シアトル日本総領事館に連絡が入った。身元は明らかになっていない。死亡したのはいずれも海外からの留学生という。
シアトルの中国領事館の関係者は地元メディアに、病院や大学から聞いた話として「6カ国の48人が巻き込まれた」と話した。同校によると、留学生は約900人在籍しており、多くがアジア出身という。事故が起きたのは、シアトル中心部に近い、大きな橋の上。シアトル・タイムズによると、水陸両用のバスが車線からはみ出し、反対車線を走っていたバスの側面に衝突したという。
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増え続ける中国人留学生

近年の、中国からの海外留学希望参加者の劇的な増加で、高校留学のシステムが変化しています。実際のところ、日本へ押し寄せる中国人観光客は、同様にアメリカやヨーロッパにも押し寄せています。中国人の高校留学生の増加も同様で、アメリカのひとつの高校に中国人の留学生が10名近くいるケースが報告されています。日本の留学エージェントの間では中国人の「爆買い」に習って「爆留」とこれを呼んでいます。中国人留学生の多い学校は、どうしても中国人同士がかたまる傾向があるために授業の休憩時間など中国語が教室内で乱れ飛ぶことが問題視されてきまして。中国では、若い時分に海外で学んだという就学経験を高く評価する風潮があります。外国で活躍する中国人を「架橋」と呼ぶように、外国の学校で学んで中国に帰国したものを「戻橋」と呼んで、進学や就職面で高く評価してリーダーにするなどの優遇をします。現在の中国の代表者である習近平国家主席も、若いときにアメリカのオレゴン州などに滞在して学んだ経験を持つ戻橋のひとりです。さらにいえば、ひとり娘の習明沢さんをアメリカのハーバード大学に留学させて卒業、それをもって中国帰国後に元国営企業体の重要ポストを与えるなどして娘の支援をしています。(写真は習明沢さん。ハーバード大学卒業式)Syu-musume

変わり行く大学留学

近年、大学留学方法が多様化を呈しています。実際に高校卒業後に外国の大学へ進む生徒は減少傾向にあり、日本の大学へ入学した後に、その大学の提携大学に交換留学するという生徒が増加しています。これには2つの訳が上げられます。ひとつは、国内景気が回復して、大学生の就職環境が改善されたことです。新卒の就職は売り手市場といわれ、日本国内の大学卒業後に優良企業へ就職ができる機会が増えたので、外国の大学へ進むより国内の有名大学へ進む方向にシフトしています。また、それらの国内大学の売りは、在学中の海外留学制度や海外研修制度の充実が上げられ、日本の大学進学においても海外の大学留学を実現できる環境が整ったことにあります。日本の大学に籍を置いて、日本の大学で学費を支払い、単位互換制度を利用した国際就学には確かに時間的、経済的なムダがありません。海外生活の治安の問題、米ドルを中心とした外貨の高騰、留学と外国の大学卒業そのものが日本国内で直ちに高い評価を得られないことなどが、長期の大学留学熱を冷ましているといえるでしょう。とわいえ「青年は荒野を目指す。」これからの日本を担う若い方々には世界で最高の教育を受けて欲しいものです。university

大阪高槻の中学生殺人事件

先日、大阪の高槻市で中学1年生2名が殺害され死体遺棄された事件がありました。犠牲者となられた生徒さんのご冥福を心からお祈りします。本当にショッキングで残念な事件です。このような十代の子供たちが巻き込まれる事件というのは世界中でどのような頻度で起きているのでしょうか。同じ月に、アメリカのテキサス州で子どもを含む一家7名が殺された事件が報道されています。実際にアメリカでは、子どもを含んで年間の2万人以上が行方不明になっています。その中には不幸なことですが銃による子供の犠牲者が相当数出ているとの報告があります。先進国では子供が事件に巻き込まれることを防ぐのにはリスク・マネージメント、親による危険回避のための管理努力が重要です。それは、「夜遅く子供を外出させない、子供をひとりにしない、子供とのコミュニケーションを日頃から積極的に計る。」ことが基本になると思います。子供自身は「いつも慎重に行動する、知らない人に付いていかない。」ことが生活での基本になります。これは私たち大人も、外国旅行をする時にも必要なリスク・マネージメントのポイントです。すなはち、暗くなってからひとりで出歩かない、知らない人の車には乗らない、慎重に行動することなどが気をつけるべき事柄であることは間違いありません。

天津爆発、危険一杯の海外生活

先日、予想を超える大きな爆発事故が中国天津市の湾岸工場地帯で起き多くの死傷者がでました。この事故に海外からの旅行者や留学生が巻き込まれたかどうかは別として、どこにいても思わぬ状況で事故やテロなどに巻き込まれる可能性があることを思い知らせた事件であるといえます。過去の出来事を注意深く振り返ってみると、実際に大きな事故は一定の頻度で起きています。アメリカのボストン・マラソン爆弾テロは記憶に新しく、ニュヨークの世界貿易センタービルへの航空機による破壊テロ、その何年か前には米国のオクラ・ホマシテイでも爆弾テロがありました。エジプトのカイロで発生した観光客無差別殺人事件では日本人が巻き込まれ、日本でも福島の原子力発電所事故が発生しました。最近では、韓国の高校生を乗せた客船沈没事故や、タイのバンコク市内の爆弾テロなども起きています。「誰でも人は自分だけは事故に巻き込まれない。」と思っているのですが、事故が発生して、そこに犠牲者がいる以上、特に海外に渡航する方は「様々な潜在リスクに対するセルフ・マネージメント」を一度考えてみる必要があります。

日系ビジネス8月号より
天津爆発事故
8月12日夜に天津市の臨海部、濱海新区の天津港保税区に所在する物流会社“天津瑞安国際物流有限公司」(以下「瑞安物流」)の危険物倉庫で発生した大規模爆発事故は、その爆発による衝撃波と熱風が周辺地域を直撃し、半径1km圏内をこの世の地獄と化し、甚大な人的、物的被害をもたらした。
物的被害は想像を絶する大きさで、その損害総額は巨額である。保険の専門家は初歩的見積もりとして、「保険の損害賠償金額は50億~100億元(約1000億~2000億円)に達すると想定される」と述べているが、やっとの思いで購入した住宅を破壊された庶民による天津市政府に対する住宅の買取請求額や保険対象外の損害を含めれば、その総額は天文学的なものとなるだろう。
104人の消防士が死亡・行方不明
それでは人的被害はどうなのか。以下の通りといわれている。
【死者】123人。全員の身元は確認済みであるが、この中には“天津市公安局消防局”の消防士20人、“天津港公安局消防支隊”の消防士50人、“人民警察(警官)”7人が含まれていた。
【行方不明者】50人。その構成は、天津市公安局消防局の消防士4人、天津港公安局消防支隊の消防士30人、警官4人、その他12人。
死者・行方不明者の合計173人中の104人が消防士であり、その内訳は天津市公安局消防局が24人、天津市公安局消防支隊が80人となっている。この数は余りにも多い。

こぼれたマニキュア事件

オーストラリアのサウス・オーストラリア州アデレード市に留学している高校生から、ホストファミリーを退去する時にトラブルが発生して困っているとメールで連絡が入りました。その問題は、生徒が使っていた部屋のカーペットのシミ。生徒によると、マニキュアを何ヶ月か前に少しこぼしたために8センチ程度の赤茶けたスポットマークが絨毯に付いたとのことでした。本人は除光液でなんとかしようとしたらしいのですが、旨く取れず跡が残ったとのことで、さっそく、こちらからホストマザーと話をして、後日弁償をすることになりました。そのホストマザーから1週間後に届いた見積書の価格にびっくり、なんと総額がA$2000。見積内容では、その部屋と、そこへ続く廊下のカーペットを全てをやり直す仕様になっていました。外国の家のカーペットは本格的で、全てプロの工事によるものがほとんどです。日本のようにフロアに簡単に敷き詰める様式のカーペットは現地では少なく、結局日本で入っていた留学保険の損害賠償保険を利用してこれをカバーすることになりました。もしも保険がなかったら日本円で20万円もの特別な出費になるところでした。次回からは、この留学生保険のことについて詳しく話したいと思います。

留学犬

イギリスのドーセット州ボスコムのボーデイングスクールに留学中の高校生から、犬にかまれて治療をしているメールが入りました。イギリスでは予防接種の普及で、狂犬病の可能性は少ないようですが、破傷風や犬の唾液に含まれる細菌による壊疽などの発病の可能性があるとのことで、保護者共々心配をしています。イギリスはペット熱が高く、どこの家庭でもその多くが犬か猫を飼育しています。資産家で豪邸に住む人などは、セキュリーのために邸内にどう猛なドーベルマンをかっている場合があります。英国にはブルドックやシエパードの中型犬ペットも多く、地域で犬の犬種毎の「毛並みスタイルコンテスト」が催されていることも珍しくありません。とはいえ、海外でも日本でも年に数回人間が犬にかまれたという事件が報告されているのが現実です。犬の事件で思い出すのは、2014年の2月にニュージーランドの田舎町で日本人の幼い少女が両親と現地の知人の家に訪問中にその家に飼っているどう猛犬にかまれたことです。これは大きなニュースとして日本にも伝えられましたが、被害者の幼児は体を数百カ所かまれて瀕死の重傷をおい、現在もオークランドの病院に入院しているとのことです。予測できない危険が海外生活には潜んでいるので、十代の高校留学生や旅行者の方々は、どこにいても、どんな時でも ①気を抜かず注意を怠らない、②危険に際して対処する意識を持ち続ける、ことを忘れないで欲しいと思います。

教員の英検資格取得率は高校55%、中学28%

2015年6月の産経新聞発表によると、全国の公立中学・高校で、英語を教える教員のうち、英検準1級以上の資格を取得しているのは、高校で55・4%、中学で28・8%であることが5月25日に文部科学省により発表された『2014年度英語教育調査結果』で分かりました。これは、前年度の、高校で52・7%、中学で27・9%からそれぞれ増えましたが、2017年までに高校で75%、中学で50%という日本政府の教育振興における計画の目標達成は厳しくなったといえそうです。中学生、高校生の英語力向上のために重要な教員に、その目標として課した英語資格のハードルが低くないことが分かりました。文科省は、教員は今後積極的に英検を受験して、講師自らの英語力を研鑽してほしいといっています。とはいえ、教職員の現実は、学校の授業での指導にとどまらず、クラス担任やクラブ活動まで学校からまかされることもあるので、多忙な毎日により極めて難しいといえます。そういう事情から、今後の教員採用時においては、これらの英語資格を持っていることが一定の条件として加味されそうです。

安倍首相のアメリカ議会演説にドキドキ!!

Abe安倍首相は、4月29日に、日本の首相として初めてアメリカ合衆国議会の上下両院の合同会議で演説を行いました。その演説内容については、このブログが国際政治の広報や批評を目的とするものではないのでここでは触れませんが、アメリカの議会で日本の総理大臣が45分以上に渡って英語で演説をしたことは歴史的な出来事といえるでしょう。アメリカを代表する議員の方々が10回以上のスタンディングオベーションを行なったのは、印象に残りました。実際に、外国の方々を前にして、どのような内容であれ英語でプレゼンテーションをすることは、見ている以上に大変なことです。事前に原稿を何度も読み返し重要な部分は暗記、表現には強弱をいれて笑顔を絶やさない。発音が難しい単語は繰り返して練習をし、自分自身が納得できるまで万全の用意をしても、人前で百パーセントの力を出すことは難しいものです。後生まで映像が残る一発勝負の世界は配信なので、演説慣れした総理大臣といえども緊張はあったと思います。安倍首相は、一国の代表者なので、当然この原稿は完璧な内容で日本政府の官僚によって作られたでしょうし、日本人翻訳者が正確に翻訳してさらにアメリカ知識人が推敲し、英語発話のプロが付いて発音を指導、さらにアメリカ人のプレゼンテーション・コーデイネーターが演説の時の動作や立ち位置まで完全指導したと思います。ひょっとしたら、アメリカ議会と同じセットまで作って予行演習を行ったかもしれません。しかし、どのようであれ、英語の勉強を長期間行ってないと、英語での演説はできません。そういう意味で、将来、政治家を目指す人は普段から英語に親しむ必要があります。

アメリカ生活で注意するべき事-銃による犯罪と規制

アメリカの総人口は3億人、それに対して既に市場に出回っている銃器は6万丁といわれます。この数から考えるとアメリカ人ひとりが拳銃2丁を持っている計算になります。銃による殺人傷害事件が発生するたびに、銃の規制「ガン・コントロール」が全米で叫ばれ、オバマ政権でも一時はその規制のながれに乗り出そうとしました。しかし、アメリカの政治団体や族議員に影響力を持つ全米ライフル協会などの銃の護身普及を訴えるオーガナイゼーションの規制反対にあって、この実現は不可能となっています。昨年も、小さな子供が親の拳銃をさわっていて誤射による暴発で死亡したり、警官による黒人への発砲傷害事件などが続けざまに起きています。随分前のことになりますが、日本の高校留学生がハロウインの夜に銃で撃たれてなくなった不幸な事件がありました。この時の被告は裁判では無罪になっています。アメリカでは前述のように銃を持っている家庭が多く、高校留学生のホストの家庭でも寝室に拳銃を備えていることが少なくありません。「深夜に寝室まで忍び込む者は銃を持った犯罪者なので、撃たれる前に撃つことで家族を守る」というホストファザーの覚悟を聞いた時は日本と違う社会がそこにあることを実感しました。高校留学生の滞在先は田舎の場合が多く、その家の回りには民家が少ないことがほとんどです。警察のパトロールもないような片田舎の町では、自分の身は自分で守るのがひとつのアメリカの生活文化であることは間違いありません。