アメリカ交換留学の受け入れ先

前のブログでは、トランプ大統領の入国制限に伴う交換留学への影響を述べました。もう一つ、最近のアメリカ高校生交換留学制度の変化について記したいと思います。
実は、アメリカ側の受け入れ先家庭が近年減少の一途を辿っているのです。特に、男子生徒を受け入れたいというファミリーが減っています。
このプログラムはアメリカと日本の人々が、相互にボランティアとして外国の生徒を長期間受け入れるという国際親善としての好意によって今日まで支えられてきました。受け入れる家庭は、外国人の学生を無償で住まわせて、近くの公立高校に通学させるスポンサーとなります。従って、春休みなどで催される短期語学留学プログラムの有料滞在先ファミリー「ペイ・ゲスト方式」とは異なり、善意で学生を受け入れています。
やはり、世界中どこでも多忙な生活を送る人々が増え、さらに経済的な状況、多様化する民族意識などの理由で、外国からアメリカを訪れる青少年を家族の一員として長期間受け入れることを負担に感じる家庭が増えていると推測されます。
日本側の外国人生徒受け入れでは、例えば愛知県や広島県では、都市部郊外の住宅地域のご家庭が短期間の十代の外国人生徒の受け入れを希望されるケースが増加しています。これらの外国人を受け入れを希望される家庭は、中学生や高校生の年代の子供さんがおられる場合がほとんどで、2週間から1ヶ月間の滞在を支援したいと希望されます。

トランプ大統領で変わる留学ビザ

アメリカでトランプ大統領が誕生して、既にいくらかの大統領令が発令されました。その中で、選挙公約であったメキシコとの国境の塀をつくることで、その費用をどのように捻出するのかでメキシコ大統領と言い争いになった経緯があります。最近では、関税や国境税を設定して、この予算を捻出しようという案もでています。
既に、オバマ大統領の時と政治的状況が変わり、トランプ大統領の行う様々な変革や外国人の入国規制がこれからのアメリカとの文化交流プログラムにも多くの影響を与える懸念が発生しています。
特に、高校生の交換留学はアメリカの国の機関である国務省の規程に沿って行われています。アメリカの国務省に認定された教育財団が、スポンサーシップのもとで外国の生徒を受け入れるときに、アメリカ政府のDS-2016というビザの申請根拠となる書類を発行します。この発行条件や、発行される数そのものの制限がなされる可能性があります。
そうなると、日本を含めたアジア地域からの高校留学生の参加数も制限を受け、戦後数十年続いた、高校生交換留学制度が下火になるか、最悪の場合、プログラムの縮小や廃止に向かう懸念もあります。

オバマ政権時の日本のアメリカ大使がケネディ女史の時には、アメリカへ留学や文化交流プログラムが盛んに唱えら進められました。トランプ政権下でも、若者の文化交流を継続して欲しいと願っています。
ところで、ケネディ大使は在任中に広島に何度かお越しになりました。広島県庁、原爆ドーム、広島大学、広島カープの試合が開催されたMAZDAスタジアムなどを訪問され、広島にとって思い出深いものとなりました。今後の活躍をお祈り申し上げます。
写真はデイリースポーツ提供
広島東洋カープのケネディ大使始球式
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英語のグローバル化を考える

世界で蔓延する急速な社会のグローバル化に応じて日本の英語教育も変化しています。グローバル化の進展の中での英語力の重要性と高校留学の示す役割とはいったい何でしょうか。英語力の一層の充実は日本にとって極めて重要な問題だという意見があります。それに対応する一つの催しが十代の高校生が参加する高校留学です。今後、日本人一人一人が、国際文化理解や異文化コミュニケーションに積極的に対応することはますます重要になります。その際に、英語力の向上はかかせないので、英語力養成を目指すべきですが将来の英語教育において、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用することは容易ではなさそうです。
東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020年はもとより、現在、学校で学ぶ児童生徒が卒業後に社会で活躍する2050年頃は、日本は、多文化・多言語・多民族の人たちが、協調と競争する国際的な環境の中にあることが予想されます。それに対応する英語教育の変化が求められるのですが、英語学習の工夫によって対応しないと、時代のスピード変化について行くのが難しいようです。人工知能AIの進歩と改革で、AIを英語学習に取り入れたりAIそのもので英語を理解する支援システムを構築したりという取り組みが進むと予想されます。
とはいえ、コンピューター技術や人工知能に頼るのではなく、生身の人間として、海外に行き、そこで学び生活する経験を踏むことがますます重要になることは間違いなさそうです。
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不可思議な留学生の不明事件

昨年末から毎日テレビで報道されているフランスで起きた日本人留学生不明事件。これは、フランス東部で日本人の女子留学生が行方不明になっているというもので、フランスの警察は容疑者を20代の外国人留学生の男に絞って行方を追っていると報道されています。
この行方不明になっている留学生は、筑波大学からフランスのブザンソンにある大学に留学している黒崎愛海さん、21才です。現地の捜査幹部の発表によると、黒崎さんは行方が分からなくなった昨年12月4日の夜、ブザンソンから15キロ圏内のレストランで20代の外国人の留学生の男と一緒にいたことが、店の防犯ビデオから判明したとのことです。その後、消息は不明で、現地では国境を越えて騒ぎになっているようです。黒崎さんが何者かによって殺害されたのか、あるいは複雑な事情でどこかに潜んでいるのか、さらにはこの容疑者の男との関連や、この容疑者の国籍もはっきりと報道で示されてないことなどから、謎が謎を呼んでいます。
今回は、日本人の行方不明ということで、大きく報道されています。実際に、少なくない外国人旅行者が毎年世界中で行方不明になっているという現実があります。これから海外へ渡航する方は、こういった現実をしっかり認識することが大事です。

トランプさんと高校留学

2016年も師走になり、2017年にアメリカ交換留学に参加する高校生の申し込みをまとめる時期に入りました。現在エースよりアメリカの高校生留学に参加している生徒は全国で18名、多くの参加者の高校生はオハイオやミシガンなどの中西部から、バージニアやニューヨークなどの東部の州の小さな街で留学生活を送っています。くしくも、これらの在米高校留学生たちは、アメリカ大統領の選挙戦と、その誕生という歴史的な時期を過ごしていることになります。留学生を受け入れて下さっているご家庭は、アメリカの中流のファミリーが多く、そういった状況からか、または中西部という保守的な州の歴史からかトランプさんを指示するご家族が多かったように留学生からのメールで伝わっています。
話は変わりますが、2016年にアメリカの高校留学に参加した生徒のビザの手続きは非常にスムーズに進みました。アメリカ大使館、領事館のビザ・セクションの方々のご理解に感謝申し上げます。その理由は、現在の駐日大使ケネディさんの貢献によるものだと思います。ケネディ大使は、広島にも度々来られ、そのうち一度は広島大学キャンパスに来られて、その折りに「若者の国際交流の重要性」について話をされています。「日本の若者はもっとアメリカに文化と学問を学びに来て下さい」と話され、ケネディ大使の平和へのメッセージは今もこの大学に刻まれているという話を聞いています。
来年は大統領が変わって、国際文化交流の形が変わるのかもしれません。”Make America great agin”と今日もテレビで繰り返されるトランプさんに期待したいと思います。

コロンビア日本人学生の事件

2016年11月20日のインターネットでのニュース速報で、南米のコロンビアで日本人大学生が命を奪われたとの報道がありました。留学生の方々は注意して現地留学生活を送って下さい。ニュースの内容は以下の通りです。

【NHKニュース11月20日インターネット版より】
南米コロンビアで今月19日に日本人男性が殺害された事件で、地元の警察が氏名を公表した被害者の男性は、千葉県船橋市の一橋大学の学生、井崎亮さんであることが大学などへの取材でわかりました。大学を休学する際、「国際協力の実情を知るため発展途上国を中心に世界各地を回りたい」という抱負を大学側に伝えていました。
この事件は、コロンビア中部の都市メデジンで今月19日、日本人男性が銃で撃たれて殺害されたもので、地元の警察はパスポートの情報などから、被害者の男性は22歳の日本人、イザキ・リョウさんだと明らかにしました。NHKが大学などへ取材したところ、この男性は千葉県船橋市の一橋大学の学生、井崎亮さん(22)であることがわかりました。
大学によりますと、井崎さんは社会学部の4年生で、ことし4月に休学し、発展途上国を中心に世界各地を旅行していたということです。大学を休学する際、提出した書類には「国際協力の実情を知るため発展途上国を中心に世界各地を回りたい」と抱負が記されていました。家族は、今後、現地に確認に向かうということです。一橋大学は「前途有為な学生が志半ばにして亡くなられたことは痛恨の極みであり、ご家族の皆様に謹んで哀悼の意を表します」とするコメントを出しました。

今回の出来事は、犠牲者が若い日本人の大学生の方なので、本当に痛ましい事故です。被害者の方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
これから海外留学をする方々はの海外の安全対策としては「滞在先の国の情勢と治安を事前によく調べる」ことが必要です。そして、少しでも危険といわれる場所には近づかないようにしましょう。ブランド品などの高価なものは持ち歩かないようにして、電子機器や財布といった貴重品を持ち歩く際は外から見えないようにすることが大切です。「万が一、強盗にあった場合には、犯人は銃や刃物などの凶器を持っていることを前提にして、命の安全を最優先に考えて、要求に応じ抵抗しないようにして下さい。現地生活に慣れた人は、滞在先の生活に自信が出てきて、警戒心が薄れてきます。しかし、犯罪に巻き込まれる可能性が常にあるという意識を持って安全対策をして下さい。
日本で海外旅行傷害保険に入っていれば、盗られた物品価値の価格が契約先の保険会社より支払われるので実際の損失はないので、留学生が自分の命に関わる行動だけは慎んで下さい。

広島の高校生トランプ通信

2016年11月9日は歴史に残る一日になりました。この日の午後に、アメリカではトランプ大統領が誕生して、テレビやインターネットニュース、あるいは新聞の号外で大々的に発表されました。この選挙では、多くのマスメディアや識者もクリントン氏の有利を予想していたこともあり、大きな事件だ、共和党の快挙だとの論調が世界中を駆け巡りました。アメリカ大統領が持つ権力は絶大なので、アメリカが歴史の転換点に立っていることは間違いありません。
ミシガン州に高校留学している、広島市の私立高校2年生出身の山下君(仮名)より「アメリカは、先日のハロウインに続く大騒ぎになっている」とメール連絡がありました。広島からアメリカ高校生交換留学に参加した山下君は、ホームステイ先がクリントンさんの所属する民主党を応援している家庭なので、ホストマザーが落胆しているとのことでした。そのホストは、お父さんはアジア系移民で、お母さんがメキシコ移民というご一家なので、移民排除を唱えるトランプさんは、彼らには敵対する政策を掲げる大統領ということになります。アメリカは、元々、移民によって発展してきた訳ですが、近年では、難民も含めた移民問題や、メキシコからの不法移民が社会に与える影響が大きな問題になっています。
とはいえ、ヒラリー・クリントンさんも、アメリカではご本人が引き起こした様々なスキャンダルを原因として、日本で報道される以上に人気がないようです。今回の大統領選挙は嫌われ者どうしの選挙戦だったことが、広島に住む私たちにまで伝わってきました。
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カナダ日本女性犠牲の事件

2016年9月より、カナダ西部のバンクーバーで行方不明になっていた日本人女性について、カナダの警察は同月30日、女性の遺体をバンクーバー中心部の建物の敷地内で発見したと発表しました。警察は48歳の男を逮捕し、女性の死亡との関連を調べる方針です。
海外では日本人女性が犠牲者になる事件が後を絶ちません。外国で注意すること、やってはいけないことをもう一度再確認したいと思います。
1.夜に一人で外出しない。
どこの町でも、夜に一人で外出するのは危険です。特に、人通りの途絶えた裏通りなどは悪人が潜んでいる可能性があります。例えば、アメリカで暗くなって一人で外出して歩いている場合は事件に巻き込まれる可能性が高くなります。アメリカやカナダは、都市でも中心部をはずれると街灯が少なくなります。そういう場所は、犯罪の発生率が高いので注意が必要です。
2.知らない人について行かない。
あたりまえ事ですが、日本人にはこれが難しいのです。日本人は、困っている人を助ける道徳的な習わしあります。それを日本の国内で自分の街で行うのならいいのですが、勝手が違う外国では悪人の思う坪で悪人の罠にはまります。今回のバンクーバーの事件も日本人の親切心につけ込んだ犯罪である可能性が言われています。道を尋ねてくる知らない人の中には、犯罪者や変質者である場合があるので基本的に相手にするべきではありません。
3.個人情報を教えない。
自分が住んでいる場所、学校、メールアドレス、年齢、趣味などを気軽に公表するべきではありません。相手が犯罪者の場合、そのデーターから正確な住所を割り出して、待ち伏せをされる可能性があります。相手がストーカー行為まで発展することもあるので気を付けましょう。
4.文化交流会での罠
今回はランゲージ・エクスチエンジに参加してこの事件に巻き込まれた可能性があります。この犯人は新聞発表ではホームレスだったとのことですが、無料の会合に参加する人の層は「移民者」、「無職者」、「ホームレス」、「学校に行ってない」、「有料の会合に出るお金がない人」、「犯罪者や変質者」であるような場合が多いのが実情です。お金を掛けない集いは、そこに集まる人に対して最大限の注意が必要です。You get what you pay for! (只ほど高い物はない)という諺が西洋にも日本にもあります。一定の会費を支払うことで、一定のレベルの人が集まってくというのも現実です。
このような悲惨な事件が再発しないように、そして今回の犠牲者の方のご冥福を心よりお祈ります。

ハーバード大学の教材に

日本の東京駅で行われている新幹線の「7分間清掃」が、アメリカのハーバード大学院MBA(ハーバード・ビジネス・スクール)の教材として採用されるとの報道がありました。
極めて短かい時間で清掃を完了する姿がメディアで話題になり、「経営者のあるべき姿を示した事例」として、これを学生に学んでもらうことにしたそうです。
東京駅に新幹線が入ってくると、折り返しとなるこの駅で12分間の停車をするそうです。乗客の乗降時間を除くと清掃に当てられるのは7分間、この間の清掃従業員のテーブル、床、トイレの清掃、座席の方向転換などの作業を素早くテキパキと行う様子が外国で話題になったようです。最近よくあるテレビ番組「すいですね日本」の影響かもしれません。
この請負会社担当者は「夏はアロハシャツを制服に」「帽子に花飾りをつけて」と、社員の提案にも耳を傾けて、幹部登用にも道を開き士気を高めたそうです。そして遅刻や欠勤には厳しく対応して信賞必罰も徹底、社員の競争意識を持たせることでサービスの質向上につなげたとのことです。
この教材は、ハーバード大学院のバーンスタイン助教授が、掃除担当従業員から直接聞き取った話も盛り込んでいるそうです。「入学してくるアメリカ人学生の中には、リーダーシップはコントロールすることであり、金銭的な動機付けで組織の問題を解消できると考る者もいるが、この手法はもっと進んでいる。」と、授業の成果に期待しているそうです。
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トランプ氏の演説

Make America great again.(アメリカを再び偉大な国にしよう)
America is going to be strong again.(アメリカは再び強い国になる)
We are losing but start winning again.(私たちは負けている。だが再び勝ち始める)
アメリカ大統領の選挙戦で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が演説のなかでいつも使っているフレーズです。シンプルで短く、誰でもが、そう日本人の中学生でも容易に理解できる単語で構成したフレーズです。
アメリカ人の話では、トランプ氏の言葉は正しい発音の正当英語ではなく、トランプ氏自身の生まれ育ったニューヨーク独特の表現や発音のものであるようです。あまり知的な英語とは思われないような表現が多いために、アメリカの人々のジョークでは、「それって、トランプみたいだ!」「おまえは、トランプか!」といった言葉を耳にすることがあるそうです。
トランプ氏は、不動産業で成功したアメリカ富豪であるために、有名大学卒業のエリートであるかのように勘違いしている人が多いようですが、実際は、失敗を克服して、自身の努力で頑張って政治家にまで上り詰めた叩き上げなので、ブルーカラーの層や、移民層から支持を得ているとニュースは伝えています。
ところで、トランプ氏の英語での演説は、「アメリカの小学校6年生程度の表現レベルである」と歴代大統領のスピーチを研究している機関が分析をしています。この事実から、誰でもがトランプ氏のスピーチの内容を理解できるということが証明されるので、多くの人種を前にした演説としては的を得たものであるといえます。