IELTSアイエルツの台頭

aielts日本では、TEAPテイープが開発され、2013年より高校生の私立大学受験の英語試験として取り入れられている現状を前回のブログで紹介をしました。経済やビジネスシーンの国際化と同様に、国内の英語教育もボーダーレスな環境のもとで急激な国際化を求められています。
日本の高校生の英語検定といえば、「英検」が中心でした。その理由は、英検の準2級~準1級の試験問題がセンター試験英語や国立大学入試に類似していたため、英検を修得することで大学入試を克服できるというメリットにありました。これを他の英語検定試験である TOEIC Bridge、TOEFL Junior、 GTECなどが追随してきましたが、今後はIELTSアイエルツが急進する可能性があります。IELTSは英語の母国イギリスが世界に誇る英語検定です。このテストの原型であるケンブリッジ英語検定試験は80年以上の歴史のある格式の高いテストです。このテストで7.0バンドスコア(9.0満点)を達成すると、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学に出願ができます。さらに、イギリスの査証申請、労働許可、居住許可の申請まですべてがこのを英語検定証明で賄えるということで、イギリスの教育省が「高校留学から永住権まで」の言語資格と正式に制定しました。現在イギリスの学生ビザを申請して入国許可を得るにはIELTSなしでは実現が不可能です。IELTSの試験開催センターも整備され、世界中のほとんどの都市で受験ができるようになりました。日本では、英検協会がこのテストの運営を受託し、日本国内の多くの都市で通年で IELTS試験を開催しています。競合が発生したときは、常に格の高いものやサービスがをシェアを伸ばしてiきた社会現象は英語の世界でも同様かもしれません。

TEAP英語試験の発表

teap_circle東京大学では、大学入試に先行して院試(大学院入試)の英語試験は、ほとんどの学部でTOEFL-IBTが採用されることが決定しました。これに追随して、京都大学、大阪大学も、将来TOEFL-IBTを英語試験として採用する可能性があります。また、東京大学の学士課程も出願条件としてTOEFL-IBTのスコア利用が検討されています。大学がこれらの実用型英語試験を取り入れて受験条件とするひとつの理由は、大学の国際ランクでの格付けにあります。日本の大学で現在世界100位に入る大学は、前述の3大学に限定されています。2014年の日本の総理大臣談話として、今後10以上の大学を世界大学100位にランクインさせたいというアナウンスがありました。その候補に挙がっているのが東北大学、九州大学、北海道大学、名古屋大学、一橋大学などで何れも優秀な大学です。世界大学ランクの上位に位置する多くの大学は、ハーバード大学、MIT、ケンブリッジ大学、ロンドン大学群カレッジ、UBCなど英語圏の大学です。これらの大学は各国を代表する名門校ですが、世界の大学ランク格付けは大学院の研究論文の引用数に左右される場合が多いため、この論文を英語で発表している大学の評価が高くなりやすい傾向があります。英語による学問に限らず、英語の歌、英語の書籍、英語のインターネット情報は「英語という言語の優位性」で何れのマーケットでもシエアを高めることができています。日本の大学も高度な英語能力を持った生徒を養成し、大学の学問資源の英語による国際化を計ることが不可欠になりました。これらの影響もあって、大学受験での実用英語検定の利用が促進されている訳です。同時に、日本の英語教育の変革も急速に進んでいます。今年は、TEAPティープ英語検定が出現しました。このテストは上智大学と英検協会が「高校生のアカデミック英語力を判定するテスト」としてCEFR基準によって企画されました。関西大学、中央大学の一部学部受験でも取り入れられる予定ですが、英語系や国際系と称される大学はこの英語検定を大学出願エントリー条件の一つとすることが予想されています。

高校生に求められる英語力

今回は、高校生留学の見地からではなく、日本の高校生が国際時代と称される現代に求められる英語力について考えてみたいと思います。日本の学生の英語検定として最も普及している「英検」を基準として考えると、一般の高校生は、最低準2級は到達したいレベルです。大学受験のセンター試験の英語レベルを考えてこのテストで高い点数を目指すためには、2級を難なく克服して、準1級の取得を試みておくべきでしょう。準1級レベルに合格できた高校生は、長文読解、ライティング、英会話の発話も上手にこなせるので、国立大学二次試験でも高得点を期待できます。英検準1級レベルであれば、高校留学に参加しても安心して海外の生活を送れます。高校生で英検準1級を持っている生徒は全国で5千人程度と少なめですが、稀少であるからこそ価値がある資格なので、この検定に高校年代に合格するために遅くとも中学2年時点から家庭教師、外国人講師、英会話学校などに通って英語の特別学習を充実することを推奨します。注意することは、語彙文法学習を主に教えている塾で学ぶのではなく、「実用的な英語を反射的に運用できる」先生のもとで学習を行うのが理想です。今後はリスニングにも重点がおかれるために、発音が正確で、リスニング指導や長文読解の指導に長けた先生が最適です。現在、日本の大学の入試制度は変革期にあり、特に英語試験が実用的なテストへと大きく変貌しようとしています。この「実用的な試験」とは、TOEFL-IBTやIELTSを示すものです。難関といわれる上位大学から TOEFL-IBTそのものか、このテストの本質に近い「4スキル型」での英語入試が主流になることは間違いありません。次回はもう少し詳しくこの話を続けたいと思います。

英語検定での英語力比較

この高校生留学ブログをご覧頂いた生徒さんから、先日、各英語検定試験の英語力評価比較インフォメーションが欲しい、とのメールを頂きましたので、今回はその参考となる比較表をもとに英語能力レベルの説明を行います。以下に示すのがエース外語学院の調査提供による各英語検定試験の点数の比較と、受験者の英会話力判定です。
TOEICテスト、TOEFL-IBT、英検を一線上で比較するのは各検定試験のスタイルが異なることから簡単ではありませんが、皆様の今後の学習の参考として頂くために記載しました。通常のTOEICテストは、リスニングとリーディングの2セクション990点満点評価すので、TOEFL-IBTテストの4スキル型テストとはテスト形式が異なるため、スコアの相関関係はあくまで比較の参考とされるものです。近年はこれらのテストに加えて、ケンブリッジ大学が開発して英国教育省委員会、豪州教育省が開催するIELTS アイエルツが英語検定として急激に普及してきました。また高校生では、GTECやTEAPテストなど、日本の大学進学に向けた汎用英語能力テストを受ける機会も多くなっています。将来は、学生・社会人を問わず、これらの新しい英語検定試験を取り入れて、個人の英語能力を測る機会が増えることが予想されています。
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高校留学参加に必要な英語力

Yurinaアメリカ高校交換留学に参加するためにはSLEPテストで45点以上が必要です。この点数は、英検でいえば2級程度、TOEFL-ITPでは420点位に相当します。これに対して、オーストラリアやニュージーランドの高校正規留学への参加条件となる英語レベルは少し低くSLEPテストで35~40点位、英検では3級~準2級の実力で参加ができます。その理由は、オーストラリアやニュージーランドの高校の多くにESOL(イーソル)という外国人生徒のための英会話クラスが開設されて、留学生はそのコースで単位を取得しながら英会話学習のサポートを受けられる理由によります。ESOLは科目として通常の英語と同格に単位学科として扱われています。アメリカの高校では、このESOLクラスがない学校が多いために日本人留学生もいきなり母国語としての英語を学ばないといけない状況から、留学参加時の英語力基準が高くなっています。カナダの高校留学は、申込者の英語力に応じた多様な受け入れを行っています。太平洋側のブリティッシュ・コロンビア州高校留学を例に取ると、SLEPテスト45点以上の場合は高校の判断で日本と同じ学年へ留学します。この点数以下の生徒は、一学年下の学年からスタートする措置がとられて留学の実現がはかられる場合がほとんどです。カナダBC州では、学年に規定された英語、または英語コミュニーション科目が必修とされるために、英語力のレベルに合わせた高校学年への受け入れ方法がとられています。イギリス、アイルランドもGCE、GCSE検定制度の側面から高校留学参加者に求められる英語力基準は厳しく、英語力の不足する日本人学生は一学年低い学年からスタートするのが一般的です。母国語としての英語は、シェークスピア文学、ポエム、戯曲などの古典もその内容に含まれるために外国人の生徒には難しい科目です。また、英語力が不足すると社会科系科目の理解も困難です。オーストラリアやニュージーランドの一部の高校では、日本人留学生に単位促進のために日本語の科目登録を認める学校があります。その場合、日本人が日本語クラスのトップに君臨するという現象が起きるため賛否はありますが、これが日本人生徒の留学生活のストレスを和らげる機会になっていることはまちがいありません。これから高校留学を目指す皆さんは、どの国の高校に留学する場合でも英語の学習準備を怠らない下さい。

高校交換留学プログラムの背景

高校交換留学生を受け入れる米国側のホストファミリーは、どういった考えのもとに海外からの生徒を1年間という長期にわたって無償で受け入れるのでしょうか。また、このプログラムのスポンサーになることに、どういった意義や、歴史、メリットがあるのでしょうか。
移民によって今日まで発展してきたアメリカは、古くから外国からの留学生受け入れに対しても積極的な社会的背景が形成されてきました。アメリカの著名な文化人類学者エドワード・ホールや、ジョージ・トレーガーが提唱した「異文化コミュニケーションの重要性」の理念にも後押しをされて、海外から母国を訪れる若者を歓迎する風潮が広く根付いてきました。同時に、アメリカ人は世界のフロンティアであり、強いリーダーシップを持つ国民であり、正義の元に団結できる国民であることを海外にアピールするひとつの取り組みとして高校交換留学制度をとらえています。この催しを支援するプログラム組織も多彩で、例えばフルブライト制度(現在は大学以上の留学のみ取扱い)、アメリカン・フィールド・サービス制度、ロータリー財団留学制度などは代表的な国際文化交流団体として有名です。わかりやすく言うと「アメリカは自由の国だよ、美しい国だよ、豊かな国だよ。世界中の皆、友達になろうよ」というアメリカ国民の善意ある方々のセンセーションが、今日迄このプログラムの歴史を築いてきたといえます。

交換留学生の受け入れ

交換留学制度の現地受け入れは原則無償で行われます。通学する高校も、ホストファミリーも無料で生徒を受け入れます。これは、アメリカの文化を海外の若者に知ってもらいたいという親切心で行われています。アメリカの歴史や文化はキリスト教(多くはプロテスタント系)によるところが多く、「博愛、救援」などの精神の元で多くのボランティア活動が行われています。実際に、生徒を受け入れる家庭はキリスト教のファミリーが多く、質素で堅実な生活を送っている場合がほとんどです。ホストがシングルマザーの家庭、子供が巣立った老夫婦の家庭、兄弟が多い子だくさんの家庭、中にはシングルファザーの家庭もあります。受け入れ先は、普通の会社員の家もありますが、町の教会、郊外の牧場、漁師や農家、珍しい例ではアメリカ空軍基地内に居住する家庭もあります。参加者が気をつけたいのは「滞在先は国際文化活動として生徒を無料で受け入れている」という現実で、それはホストファミリーは言い換えるとスポンサーだということです。日本からの生徒は、家族としての雑用(チョアといいます)や、自分の部屋の掃除、食事の後かたづけなどが割り当てられます。また、参加者が学校で問題を起こすと親代わりとなっているホストの方が学校から呼び出されたり、注意を受けたりします。
夏休みに行われる「ホームステイ」と呼ばれる外国短期滞在や、海外の英語学校留学の滞在先、高校正規留学でのファミリー滞在プログラムは、受け入れ家庭に費用を払って滞在するペイゲスト・ステイが普通です。ペイゲスト・ステイは日本的に言うと「食事付き下宿」で、二人部屋と一人部屋の部屋条件、週あたりで提供される食事の回数によって代金が異なります。現在の西欧諸国では、為替レート変動と現地物価高で1が月最低、日本円換算で10万円以上がかかります。この滞在費相場を知ったとき、アメリカ高校生交換留学では滞在費だけで年間100万円以上の提供に浴していることを理解して、その家族の一員として過ごすことが望まれます。

高校交換留学

アメリカの公立高校に1年間留学をする高校留学。この公立高校留学には2つの種別があります。ひとつは、日本の高校とアメリカの高校間提携によって互いに生徒を派遣し合う「高校間交換留学」、もうひとつはAIFSなどの米国の交流文化財団や国際交流NPO法人の主催する高校生の交換訪問プログラムである「高校生交換留学」です。この二つの制度は「高校交換留学」という呼称でウェブサイトなどのメディアで紹介されています。交換留学は何れの運営種別でも、日米文化の相互理解推進活動と青年の国際交流としての意義のもとで行われます。この留学制度は、最長で1年間現地の高校生活を通して文化交流活動を行うもので、この期間終了後は日本に帰国する規定があります。従って、現地高校での進級や卒業を目指す催しではありません。アメリカの高校で卒業を目指す生徒は私立の高校であるボーデイングスク-ルやデイスクール留学へ参加をする必要があります。アメリカ入国の為に領事館に申請するビザの種類も異なり、交換留学は「J-1」という文化交流ビザ、私立高校の正規留学は「F-1」という学生ビザを取得します。高校在学生が申込参加することが多い留学制度ですが、最近では申込者の若年化が進み、中学を卒業して直ぐに渡米してこのプログラムに参加する生徒が増えてきました。その場合は、中学2年生時に高校交換留学の出願準備を開始して中学3年時に参加申し込みをします。

高校留学と大学進学

高校留学の経験者や外国の高校卒業生が、大学進学や就職活動において脚光を浴びてきました。文科省は 高校生の海外留学の促進について 広報を行い、安倍内閣においても総理大臣自らの談話として学生の海外留学や異文化交流の必要性が語られています。話せる英語・英会話の習得、海外ボランテイア活動への参加などによるリーダーシップ養成、国際的な学識者の育成などを可能にする「留学」制度が奨励されることは疑いの余地がありません。
高校留学や海外進学は日本の将来を担う若者を育てる機会として確実に定着しつつあります。特に、これから中学を卒業する年代の生徒の皆さんで、英語と外国生活に興味のある方は日本国内の高校進学とともに、海外の高校進学も視野に入れて自分の将来の進路を見据えてほしいと思います。東京オリンピック開催も「英語が上手に話せ、外国から日本を訪れる方々を国際的センスでもてなす若者たちの活動参加」なくして成功は困難です。英語と留学の普及は、日本の国策のひとつと考えられます。高校留学を考えている皆さんは、その夢を叶えるために、まず一歩を踏み出して下さい。

東京大は29日、2016年度入試から導入する同大初の推薦入試の概要を発表した。<中略>
1次選考の書類審査(11月)は、高校の成績に加え ▽留学経験 ▽世界の高校生らが競い合う国際科学五輪での成績 ▽TOEFLや英検の英語能力試験の点数 ▽ボランティア活動−−などが対象だ。
東京都内有数の進学実績がある公立高校長は「世界に通用する優秀な生徒が欲しいという意向が伝わる。受験対策に特化しない高校教育をしてほしいというメッセージだ」と評価。「探究型・課題解決型の学習に力を入れている『底力のある高校』が有利だろう」とみる。(毎日新聞 2014年1月29日記事より抜粋)

フォニックスの留学効果

phonic英語のフォニックスの重要性について考えてみましょう。学問的にフォニックスは、「アルファベットの短音発音規則と、綴りでの複音発音の方法を身につけるメソッド」で、日本でも英語教育に多様に取り入れられたのは前述の通りです。英語を「音声学的なルール」で学び正確で美しい発音を身につける学習法として広く確立されています。
” The rain in spain falls mainly on the plane.” という文章を例にとると、日本の学校英語教育ではここに出てくる”The, in, falls , mainly, on” の文法用法が教師から示され、続いて主語述語の構文が解説されて、生徒はそれを学習ポイントとして学んでいきます。しかし、現実の英会話となると、この文章を正しく発音しないと英語の「音」としての発音と「文章」との相関性が不明瞭になるためネイテイブとのコミュニケーションでは役立たないものになります。そこでフォニックスを学ぶことで英単語を正しく読め、英語を上手に話せるようになり「通じる英語、話せる英会話」を身につけることができます。高校留学生も留学当初は、英語の発音が不明瞭なためにホストファミリーや友達との意志疎通で苦労をしますがフォニックスによる発音を現地でマスターすることで英語での会話を克服しています。
ところで、海外旅行で利用する飛行機の機内食サービスで  “Fish or chicken?” と、どちらの食事を希望するのかパーサーから聞かれて “Fish” と言ったのに ”Chicken” が出されたり(”F” 発音に失敗し”sh” 音が “ch”と聞こえたのが原因)、 ”Coffee” を頼んだのに、”Tea” が出てきたり、(“ff-ee” 音が不明瞭で “Hee” と聞こえたのが原因) という失敗談があります。これらの状況はフォニックスによる発音で解決ができます。近年は多くのフォニックス関連英語学習書が登場しているます。また、発音教則本では、発音と同時に綴りを表記したものも増えているので英語学習の参考にして下さい。